山口一郎が選ぶEYEVAN 7285|私物の363と、756・1012の着用例を追う
EYEVAN 7285(アイヴァン 7285)は、2013年に誕生した日本のアイウェアブランド。福井県鯖江市の眼鏡づくりを背景に、フレームの形から小さな金属部品まで丁寧につくり込んでいます。その眼鏡を愛用する一人が、サカナクションの山口一郎氏です。
私物としてモデル名まで確認できたのは「363」。 以前からの着用モデルとして有力な「756」、そして雑誌の撮影で自身が選んだ「1012」も見つかりました。山口氏の音楽やファッションに触れながら、それぞれの写真とデザインを見ていきます。
山口一郎とは。音楽とファッションの両方に、自分の基準を持つ人
山口一郎氏は、1980年9月8日生まれ、北海道小樽市出身。5人組バンド・サカナクションのボーカルとギターを担当し、ほとんどの楽曲で作詞・作曲を手がけています。バンドは2005年に北海道で活動を始め、2007年にアルバム『GO TO THE FUTURE』でメジャーデビューしました。

サカナクションの音楽は、ギターやベース、ドラムによるバンド演奏に、シンセサイザーやクラブミュージックのリズムを取り入れているのが特徴です。踊れる曲でありながら、言葉やメロディが耳に残る。その両方を楽しめる楽曲を発表してきました。
プロフィール:フジテレビ・山口一郎紹介/ビクター公式プロフィール/デビュー期のビクター公式特集
「新宝島」「怪獣」、そして再び広がった「夜の踊り子」
「新宝島」は、2015年9月30日に発売された映画『バクマン。』の主題歌。メンバーのステップが印象的なミュージックビデオとともに、サカナクションを広く知るきっかけになった代表曲です。2025年には発売10周年を迎え、公式YouTubeで撮影の舞台裏や振付のサンプル映像も公開されました。
「新宝島」作品情報/公式ミュージックビデオ/10周年記念の舞台裏映像
「怪獣」は、2025年2月20日に配信された、約3年ぶりの新曲です。アニメ『チ。 ―地球の運動について―』の主題歌として制作され、作品を通じてサカナクションに出会った人にも届きました。配信初日にはSpotify Japanのデイリーチャートで1位を獲得。新たな代表曲として、大きな反響を呼びました。
「怪獣」リリース告知/所属事務所の音楽メディアSENSA・「怪獣」の反響
さらに、2012年発表の「夜の踊り子」は、2026年にSNSをきっかけに再ヒット。船首で踊る少年の映像に楽曲を合わせたショート動画が広まり、山口氏自身もダンスを披露しました。2026年6月8日付のオリコン週間ストリーミングランキングでは、3週連続1位を記録しています。発表から約14年を経て、新しい世代にも聴かれる曲になりました。
ORICON NEWS・「夜の踊り子」の再ヒットとチャート記録
服を選ぶだけでなく、つくる側にも
山口氏は、ファッションへの関心が深いことでも知られています。2023年には、自身のプロジェクト「yamaichi」とコム デ ギャルソンの「CDG」が協業し、「CDG YI」を発表。黒を基調としたジャケットやシャツ、Tシャツなどを展開しました。好きな服を着ることから、服づくりに関わる活動へと広がっています。
眼鏡も、そうした装いの一部です。2025年6月の『GOETHE』の取材では、手元に30〜40本ほどの眼鏡があり、その約4割がアイヴァンブランドのものと紹介されています。とりわけEYEVAN 7285には、顔に自然となじむモデルが多いと話しています。
MEN'S NON-NO・「CDG YI」/GOETHE・山口一郎インタビュー
山口一郎が掛けるEYEVAN 7285。まずは3つのモデルから
同じ「着用モデル」でも、本人が購入を語った眼鏡と、撮影のために選んだ眼鏡では意味が違います。今回の調査では、次のように確認できました。
| モデル | 確認できたこと | 見た目の特徴 |
|---|---|---|
| 363 | 本人インタビューで私物・型番を確認 | 角を立てた黒縁 |
| 756 | 公開写真・着用紹介から有力。型番は照合を含む | 丸みのある黒縁 |
| 1012 | 雑誌で型番を明記。度付きにする予定と紹介 | 大きめのメタルフレーム |
01 / 私物・型番を確認363|2025年に加わった、角のある黒縁
最初に紹介するのは、MODEL 363のブラックです。FASHIONSNAPの「2025年ベストバイ」で、山口氏本人が年明け頃に手に入れたものとして紹介しています。その年のサングラスの定番になった一本です。

山口氏が気に入ったのは、横へまっすぐ伸びるテンプルと、フラットな印象のフロント。髪がフレームに掛かっても見た目が変わりすぎず、どこかに個性のある形を選んでいるそうです。鼻パッドが付いていることも、ずれにくさを考えた大切な条件になっています。
取材記事では、レンズはライトブルーのガラスレンズと紹介されています。ただし、レンズの正式な品番や濃度までは記載されていません。写真の見え方だけで同じ色を断定せず、黒いフレームに淡いカラーレンズを合わせている点に注目すると、山口氏らしい掛け方がよく分かります。
私物・型番・色の確認:FASHIONSNAP本人インタビュー
光を受けると分かる、鋭い縁と磨きの艶
363の見どころは、フレームの角をはっきりと残した立体的な形です。正面から見ると黒縁の輪郭がくっきりし、斜めから見ると、平らな面と面の境目に光が当たります。丸く磨かれたフレームとは違う、硬質な表情があります。

ブランドによると、この艶と鋭い縁を両立させるため、通常の5倍以上の時間をかけて職人が手で磨いています。フロントとテンプルをつなぐ丁番には、10金のピンを採用。大きなロゴで見せるのではなく、輪郭と小さな金属の光で印象をつくるモデルです。
公式サイズは、レンズ幅47mm、ブリッジ幅24mm、テンプル長145mm。フロントとテンプルには、樹脂素材のアセテートを使用しています。
製法・素材・サイズ:MODEL 363公式ページ
02 / 公開写真からの有力モデル756|黒い服に合わせた、丸みのあるサングラス
363より前の着用モデルとして挙がるのが、MODEL 756です。山口氏の服装を継続して紹介している記事では、2023年9月と2024年12月の本人Instagram投稿を、756の着用例として挙げています。
そのうち2023年の投稿は、山口氏が『SWITCH』の「CDG YI」特集を紹介したもの。黒いジャケットとシャツに、黒縁のサングラスを合わせています。

写真のフレームは、上側に少し角を残しながら、下へ向かって丸くなる形。756の公式写真と比べても、レンズの輪郭や鼻元の形がよく似ています。756が有力と考えられますが、型番・カラー番号を本人やブランドが明記した資料は、今回の調査では確認できませんでした。 そのため、363と同じ確度での断定は控えています。
着用例の紹介:たき/多軌「サカナクション山口一郎の一軍服と超一軍服」。原投稿:2023年9月/2024年12月。型番の判断には写真の形状照合を含みます。
丸いレンズと、すっきりした黒縁のバランス
756は、逆三角形に丸みを持たせた「ボストン型」のサングラスです。363が角や面を意識させるのに対し、756はレンズ下側の曲線が目に留まります。黒い服と合わせても、顔まわりには少し柔らかい印象が残ります。

フロントとテンプルが接する部分には、ヴィンテージのフライトジャケットのジッパーから着想を得た金属部品を使っています。見慣れた丸い黒縁のなかに、服の部品に由来する細工が入っている。その小さな違いにも、このブランドらしさがあります。
公式サイズは、レンズ幅47mm、ブリッジ幅23mm、テンプル長145mm。独自のカーブを持つガラスレンズを備え、濃い色に加えてライトブルーやライトブラウンも展開されています。
形状・構造・サイズ:MODEL 756公式ページ
03 / 雑誌で着用・型番を確認1012|黒縁とは違う、大きめのメタルフレーム
もう一本、型番がはっきりしているのがMODEL 1012です。2025年6月25日公開の『GOETHE』「人生を彩る眼鏡」で着用し、写真のキャプションにもモデル名が記載されています。

記事によると、山口氏はそれまで細いメタルフレームが自分の顔に合いにくいと感じていたそうです。しかし1012は自然に掛けられ、普段着ている服にも合いそうだと語っています。撮影時に本人が選び、度付きにする予定と紹介されたモデルですが、その後の購入や日常での継続使用までは確認できていません。
着用・本人コメント:GOETHE本人インタビュー
線は細く、レンズは大きく
1012は、1980年代後半の眼鏡を着想源にした大ぶりなメタルのボストン型。レンズの下側に丸みを持たせ、目元を広く囲むデザインです。黒縁のようにフレームの色で顔を引き締めるというより、細い金属の線で輪郭を添えています。

フロントの両端にある、テンプルへつながる小さな部分は、チタンの塊から一つずつ削り出してつくられています。正面からは繊細に見えても、横から見ると金属部品の厚みや形が分かる構造です。
公式サイズは、レンズ幅51mm、ブリッジ幅21mm、テンプル長148mm。363・756よりもレンズ幅が大きく、顔に掛けたときの余白も違います。山口氏の黒縁サングラスの印象が強い人ほど、新鮮に感じられる一本ではないでしょうか。
デザイン・製法・サイズ:MODEL 1012公式ページ
そもそもEYEVAN 7285とは?
出発点は、1972年の「着る眼鏡」
EYEVAN 7285の背景にあるのは、1972年に始まった「EYEVAN」です。掲げたのは、「着る眼鏡」という考え方。視力を補うための道具を、服と同じように装いを楽しむものとして提案しました。1985年には世界へ進出しています。
その技術やデザインの蓄積を引き継ぎ、2013年に新たなデザインチームがスタートさせたのがEYEVAN 7285です。昔の形をそのまま再現することだけにとどまらず、いま美しいと思える形を、当時とは違う技術も使ってつくっています。
ブランドの沿革:EYEVAN 7285公式「Brand」
小さな部品まで、鯖江の技術でつくる

製造の中心となるのは、眼鏡の産地として知られる福井県鯖江市。機械による加工と熟練した職人の手仕事を組み合わせ、ブランドの説明では約400もの工程を経て完成します。
例えば、今回の363では角を保ったまま表面を磨く技術、756では服のジッパーを着想源にした丁番、1012ではチタンから削り出す金属部品。それぞれのモデルで、形に合わせたつくり方を選んでいます。
眼鏡に詳しくなくても、写真を見比べると違いは分かります。363は面と角、756は丸い輪郭、1012は細い線と大きなレンズ。山口氏の着用例は、同じブランドのなかにも、これだけ違う表情があることを教えてくれます。
EYEVAN 7285の現在の取扱商品は、DOWNTOWNオンラインストアでご覧いただけます。
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調査日:2026年9月6日。掲載した着用例は、それぞれの資料公開時点の情報です。