黒いボブヘアで赤い服を着た女性が、自然なサイズのメガネを掛けたイラスト。

メガネのサイズの選び方|黒目の位置・PD・顔幅がわかる保存版

メガネのサイズ選びは、黒目がレンズのどこに収まるか、フレームの横幅が顔に合うか、鼻と耳で無理なく支えられるかを確かめることから始まります。テンプルにある「47□23–145」という数字も、この3つを判断する手がかりです。

黒目の位置の基本から、サイズ表記の読み方、PDと顔幅の測り方までを順に解説します。男女別の参考表や、無料アプリEyeMeasureの使い方もまとめました。迷ったときは、必要な項目だけ読み返してみてください。

1. 黒目は「中央付近」が基本

顔を正面に向け、自然に掛けたとき、左右方向はレンズの中央付近、上下方向は中央からやや上に黒目が収まるものを出発点にしましょう。左右は、中心より少し鼻側に入る程度でも自然にまとまりやすくなります。[1]

A|大きすぎる例黒目が鼻側へ偏る。 B|適切な位置の例黒目が中央付近に収まる。 C|小さめの例黒目は少し外側へ寄る。 顔と黒目の位置は、A・B・Cすべて同じです。メガネの大きさだけを変えて比べています。

まずはBのような黒目の位置を目安に試着します。ここでいう「中央」は、レンズの形を長方形で囲んだときの中心です。見た目のバランスを見る基準なので、どんな形でも「上から何mm」と固定する必要はありません。

黒目が鼻側へ大きく寄るなら、レンズ中心同士の間隔がもう少し狭いものを。耳側へ寄るなら、間隔がもう少し広いものを試してみます。黒目が上の縁に近づきすぎるときは、メガネが鼻からずり落ちていないかも確認しましょう。

2. 「47□23–145」は何の数字?

テンプルの内側などにあるサイズ表記は、基本的にレンズ幅・ブリッジ幅・テンプル長の順です。単位はすべてmm。「47■23–145」のように表記されることもあり、よく見る「□」はボックスレンズ方式を表します。レンズを四角い箱で囲むと考えると、読み方が分かりやすくなります。[2]

47□23–145のサイズガイド。1はレンズ横幅47mm、2はブリッジ幅23mm、3はテンプル長145mmを示す。
①レンズ横幅、②ブリッジ幅、③テンプル長。単位はすべてmmです。
47□23–145の内訳
表記 名称 どこの長さ?
47 レンズ幅
(玉形幅)
片方のレンズを囲む箱の横幅。枠の太さは含みません。
23 ブリッジ幅
(レンズ間距離)
左右の箱の、鼻側の辺と辺の間隔。
145 テンプル長 つるの付け根から、曲がった先端までの長さ。

レンズ幅とブリッジ幅は、レンズのカーブに沿わせず、長方形を基準に測ります。テンプル長145mmは、付け根のねじ軸から曲がった先端までの長さ。「耳までの距離」や「顔の横幅」とは別です。

数字が同じでも、掛け心地は変わる

23mmは、鼻パッド同士の間隔や鼻が入る空間そのものではありません。鼻に当たる部分の形、高さ、角度によってフィット感は変わります。テンプルも、長さだけでなく耳に沿う曲がり位置が大切です。

また、47×2+23=117mmを、フレーム全体の横幅と考えないこと。この計算には、左右の枠の太さや、テンプルにつながる両端の張り出しが入りません。商品ページでは「フロント幅」「総幅」などの実測値も確認しましょう。

もう一つ見たいのが、天地幅=レンズの縦幅。通常、この3つの数字だけでは分かりません。同じ47サイズでも、横長の形と丸い形では、目元を覆う面積が変わります。

3. PDを知ると、黒目の位置を予想できる

PD(瞳孔間距離)は、左右の黒目の中心から中心までの距離です。IPDと書かれることもあります。目頭同士の距離や、顔の横幅とは別の数値です。

これに対してフレームPD(FPD)は、左右のレンズを囲む箱の中心間距離。一般的な左右対称のフレームでは、次の式が目安になります。[2][4]

フレームPD = レンズ幅 + ブリッジ幅

47 + 23 = 70 mm

女性の目元とメガネを拡大し、青い破線でレンズの形の中心を示した図。フレームPD70mmに対して自分のPD64mmなら、左右の黒目の中心はそれぞれ破線より鼻側へ3mm入る。
青い破線=レンズの形の中心。黒目の中心が、左右とも破線より鼻側に入っています。
片側3mmの位置関係を示す拡大イメージです。図の大きさは実寸ではありません。

たとえば自分のPDが64mm、フレームPDが70mmなら、差は6mm。左右の単眼PDが同じでフレームを左右対称に掛けているとき、黒目は形の中心より片側3mmずつ鼻側になります。

まずは自分のPDに近いフレームPDを見比べ、中央付近から少し鼻側に収まるものを試しましょう。差が大きいほど、見た目の偏りや、レンズの厚みについて確認したい点が増えます。ただし「差が○mm以内なら必ず合う」という共通の合格ラインではありません。

遠用PD・近用PD・単眼PDの違い
遠用PD
遠くを見るときの値。普段使いのフレームを比較するときは、基本的にこちらを使います。
近用PD
手元を見るときの値。近くを見ると両目が内側へ向くため、通常は遠用より小さくなります。読書距離によっても変わるので、決まった数値を一律に引いて代用しません。[9]
単眼PD
顔の中央を基準に、左右それぞれの瞳の位置を測る値。右31mm・左33mmなら、両眼で64mmです。左右差があるため、両眼PDを必ず半分にできるとは限りません。[3]

顔に沿って強くカーブするスポーツフレームなどは、正面の足し算だけでは判断できません。実際の装用状態に合わせた測定が必要です。

4. 顔幅の測り方と、男女別の参考サイズ

正面から見たバランスは、フレームの横幅を、顔の広い部分の幅に近づけるところから試すとつかみやすくなります。一方、締めつけの有無は、こめかみ付近の幅とテンプルの内側の間隔でも変わります。[6]

赤い服の女性がメガネを外した正面図で、PDと顔幅の測定位置を図解。PDは瞳の中心間、顔幅は耳を含めない左右の頬骨付近の直線距離。
下の顔幅表は「頬弓幅」が基準。頭の最大幅や、耳を含めた幅とは区別します。

顔の表面にメジャーを沿わせない

自宅では、左右の頬骨付近の最も張り出した位置を目安に、水平な直線距離を測ります。顔の両側に薄い板などを平行に軽く当て、頬を押し込まずに板の内側同士の距離を測ると、おおよその幅をつかめます。できれば誰かに手伝ってもらいましょう。

柔らかいメジャーを頬や鼻に沿わせると、表面のカーブの分だけ長くなります。自宅計測には誤差があるので、境界付近の1mmでサイズを決めず、今の掛けやすいメガネの実測幅とも比べてください。

「何mmから小顔・大顔?」の参考表

小顔・大顔や、顔幅のS・M・Lに共通の規格はありません。以下は日本人青年層の頬弓幅データをもとに、平均付近をMとして整理したこの記事独自の参考区分です。顔全体の印象や、各ブランドのフレームサイズを判定する表ではありません。

顔幅(頬弓幅)の参考区分2001年・18〜34歳の統計から算出した独自の目安
単位:mm / フレームの総幅とは別
性別 小さめ
参考S
中くらい
参考M
大きめ
参考L
男性 141未満 141以上
150未満
150以上
女性 133未満 133以上
142未満
142以上

基礎データ:産総研「日本人頭部寸法データベース2001」。2001年に計測した18〜34歳の男性56名・女性61名。平均は男性145.1mm、女性137.7mm。平均±標準偏差をもとに境界を1mm単位に丸めています。全国民や全年齢の区分ではありません。[5]

たとえば男性の顔幅145mmは、この表では参考Mです。ただし、「145mmのフレームなら必ず合う」とは限りません。フロントの厚み、テンプルの開き方、鼻の形も合わせて確かめます。

顔幅が広いのに、PDが小さい場合は?

顔幅とPDは別々に考えましょう。レンズ幅を大きくするほどフレームPDも広がるため、黒目が鼻側へ寄りやすくなることがあります。

小ぶりなレンズの外側に智が張り出した、黒縁のボストンフレーム。グレーの背景で、丸みのあるレンズの形とテンプルにつながる立体的な形状を描いた正面のイラスト。
レンズの外側へ張り出した「智(ち)」で、フロントの横幅を確保。
小ぶりなレンズと、ゆとりのある横幅を組み合わせたフレームのイメージです。

小ぶりなレンズでも、両端に張り出しがあるフレームなら、目の位置とフロントの横幅を両立しやすくなります。逆に顔幅が狭くPDが広めなら、両端の張り出しや枠の厚みを抑えた形が候補になります。どちらもテンプルの内幅は試着で確認してください。

5. PDは何mmだと狭め・広め?

「寄り目」「離れ目」という見た目の印象は、目の横幅、目頭の間隔、顔幅とのバランスでも変わります。PDだけで決まるものではありません。数値を知りたいときは、同じ性別のデータに対して「狭め・平均付近・広め」と見ると整理しやすくなります。

PDの参考区分2001年・18〜34歳の統計から算出した独自の目安
単位:mm / 見た目や眼位を判定する基準ではありません
性別 狭め 平均付近 広め
男性 61未満 61以上
67未満
67以上
女性 59未満 59以上
64未満
64以上

顔幅表と同じ青年層データから作った独自の目安です。PDの平均は男性64.1mm、女性61.7mm。境界は平均±標準偏差を1mm単位に丸めた値です。[5]

いわゆる「寄り目・離れ目」の数値的な目安を探すなら、この表の狭め・広めを参考にする程度にとどめましょう。表の端に入ること自体は異常を意味せず、斜視の判定にも使いません。

メガネ選びで役立つのは、分類名よりも自分の実測PDと、候補のフレームPDの組み合わせです。たとえばPD60mmの人がフレームPD75mmを掛けると、左右対称なら片側7.5mmずつ鼻側に入ります。フレームPD65mmなら片側2.5mm。この違いを、鏡の中で見比べてみてください。

参考表の数値を詳しく見る

平均からのばらつきを表す「標準偏差」は、顔幅が男性4.4mm・女性4.5mm、PDが男性3.0mm・女性2.7mmです。

平均±1標準偏差の範囲は、顔幅が男性140.7〜149.5mm・女性133.2〜142.2mm、PDが男性61.1〜67.1mm・女性59.0〜64.4mm。上の表では比較しやすいよう、境界を四捨五入して整数にしています。

分布が正規分布に近ければ、丸める前の範囲にはおよそ68%が含まれる考え方です。表の区分は、この標本の実際の人数割合を集計したものではありません。計測年代や年齢層が違えば、数値も変わります。

6. 無料アプリEyeMeasureでPDを測る

EyeMeasureは、対応するiPhoneなどでPDを測れる無料アプリです。遠用・近用のPDを表示でき、定規やクレジットカードを用意せずに測定できます。日本のApp Storeでは、2026年9月時点で無料で配信されています。[7]

EyeMeasureをApp Storeで見る

  1. 対応端末でアプリを開く
    説明上はiPhone X以降が対象。顔の深度を測るTrueDepthカメラが必要で、iPhone SEシリーズなどは対象外です。画面の案内に沿ってカメラを使います。
  2. 正面を向き、顔を認識させる
    顔が見やすい明るさで、スマートフォンを顔の正面に持ちます。距離や視線はアプリの案内に合わせ、顔を傾けたり近づけすぎたりしないようにします。
  3. フレーム比較用には「Far」のPDを控える
    Farは遠用、Nearは近用。両方の表示を取り違えないよう、数値と種類をセットで保存しましょう。
  4. 姿勢を整えて数回測り、値を見比べる
    毎回大きく変わるときは、照明や距離を見直します。安定して測れた値を、フレーム探しの参考にします。
アプリの精度や、顔幅の表示について

2023年の44名を対象とした研究では、EyeMeasureと専用のPD測定器との平均絶対誤差は約0.51mmでした。ただし、訓練された測定者が扱った条件での結果です。すべての人・端末・自宅環境で同じ誤差になるという保証ではありません。[8]

EyeMeasureには顔幅の計測機能も追加されています。アプリのFace Widthと、統計表の頬弓幅は、測定位置が一致する場合に限って比較できる数値です。顔幅表へそのまま当てはめず、測っている位置も合わせて見てください。

7. 最後は、鼻・耳・こめかみで確かめる

サイズ表で候補が見つかったら、実際に掛けて仕上げます。正面の鏡だけでなく、横からの写真や、少し顔を動かしたときの安定感も確認しましょう。

試着のチェックポイント
見る場所 確認すること
黒目・正面 レンズの端へ大きく偏っていない。フレームが左右に傾かない。
こめかみ 強く挟まれず、テンプルが外へ無理に押し広げられていない。
接地面が安定し、一点だけ強く当たらない。下を向くと大きくずり落ちない。
テンプルの曲がり位置が耳に合い、耳の後ろを強く押さない。
頬・まつ毛 笑ったときに頬がフレームを大きく押し上げない。まつ毛がレンズに触れない。

フィッティングで整えられる部分はありますが、フロントの幅やレンズ中心同士の間隔には限界があります。我慢して掛けるサイズを選ばず、調整後の状態で確かめることが大切です。[3]

よくある疑問

47サイズなら、小顔向けですか?

47は片方のレンズ幅です。ブリッジ幅、枠の厚み、両端の張り出しによって総幅が変わるため、この数字だけでは決まりません。たとえば47□23と50□20は、どちらもフレームPDが70mmですが、形や総幅は違うことがあります。

近視が強い人は、小さいメガネがいいですか?

近視用レンズは周辺ほど厚くなるため、瞳が中央付近に収まる小ぶりなレンズは、厚みを抑える候補になります。ただし、顔を締めつける小ささは避けましょう。レンズの形、度数、素材でも厚みは変わるため、候補のフレームで仕上がりを相談します。[10]

遠近両用は、天地幅が大きければ大丈夫?

十分な縦幅に加え、瞳からレンズ下端までの高さが、選ぶレンズの必要条件を満たすことが大切です。フレームを調整してから測定します。天地幅だけで一律に判断せず、使うレンズとセットで選びましょう。[11]

オーバーサイズのメガネやサングラスは選べませんか?

大きめの形を楽しむ選び方もあります。中央付近という基本を知ったうえで、見せたい印象と掛け心地を比べてみてください。度付きにする場合は、レンズの厚みや製作可能な範囲も確かめます。

ネットで買うとき、何を比較すればいい?

手持ちの掛けやすいメガネを基準に、レンズ幅、ブリッジ幅、テンプル長、フロントの総幅、天地幅を控えます。まず総幅とフレームPDを比較し、鼻パッドの形も写真で見ます。通販のS・M・L表記は販売側の基準なので、実測値を優先してください。

参考資料・数値の出典
  1. ZEISS PEOPLE/伊藤美玲「似合うメガネ選びの決め手は“形”にあらず。」(2023年3月29日)。黒目の位置とサイズの基本。
  2. ISO「ISO 8624:2020」§3.1(公開プレビュー);日本規格協会「JIS B 7281:2024」。ボックスレンズ方式と寸法の定義。
  3. Mehta M, Onyegbule S.「Prescribing and fitting spectacles: the role of pupillary distance and the optical centre」Community Eye Health Journal 37(122), 18–19(2024年)。単眼PD・レンズの位置合わせ・フィッティング。
  4. Vision Expo「ABO Basic Exam Review: Ophthalmic Optics」(2023年)、スライド23・25・28〜32。フレームPDと片側の偏心量。
  5. 河内まき子・持丸正明(2008)「日本人頭部寸法データベース2001」、産業技術総合研究所H16PRO-212、青年群男女の統計量。顔幅・PDの平均と標準偏差。区分はこの記事で算出。
  6. HOYA「おとなのメガネの選び方」。顔幅とフレーム横幅の関係。
  7. Apple App Store「EyeMeasure」。無料配信・遠用/近用PD・顔幅機能の更新履歴。Apple「iPhone SE(第3世代)の技術仕様」。料金・アプリ情報の確認:2026年9月9日。
  8. Han et al.「Comparing the Effectiveness of Smartphone Applications in the Measurement of Interpupillary Distance」Cureus 15(7): e42744(2023年)、doi:10.7759/cureus.42744。44名での測定比較。
  9. PMDA掲載「デジタルPDメーター PD-82Ⅱ 添付文書」(2019年改訂)。遠見・近見の注視距離を分けた測定。
  10. ZEISS PEOPLE「目が小さく見える悩みはフレーム選びで回避!」;HOYA「レンズの厚みや輪郭のゆがみが気になる」。近視用レンズの厚みとフレーム選び。
  11. HOYA「Progressive Lenses」。レンズ設計ごとの必要フィッティング高さ。「individual(多焦点)設計のメガネレンズ」。装用条件の反映。