細いメタルフレームを掛けたモデルの公式LOOK。ベージュのシャツを着用

CLAYTON FRANKLINとは|設立の背景、デザイナーと繊細なフレームのつくり

CLAYTON FRANKLIN(クレイトンフランクリン)は、1999年に創業した、福井・鯖江を拠点とする日本のアイウェアブランドです。クラシックな形に精密な金属加工や異素材の組み合わせを取り入れています。

魅力をよく伝えているのは、レンズを囲む細い縁や、耳に掛かるつる(テンプル)のつくりです。落ち着いた外観を保ちながら、近くで見ると構造や装飾に工夫が見つかります。設立の背景とデザインの体制を整理し、公式LOOKとプロダクトの写真から、その特徴を詳しく見ていきます。

細いメタルフレームを掛けたモデルの公式LOOK。ベージュのシャツを着用
CLAYTON FRANKLIN公式LOOK。細いフレームの輪郭と、掛けたときのバランス。 写真:CLAYTON FRANKLIN/公式サイト。

01 / BACKGROUND設立の背景と、デザイナーについて

日本でつくり、欧米へ届けてきたブランド

CLAYTON FRANKLINを手がけるのは、鯖江のヒエロハウス。当初からアメリカやヨーロッパを主要な市場として展開し、その後、日本でも取り扱いを広げてきました。海外のクラシックな眼鏡に通じる外観と、日本の製造技術を組み合わせた出発点が、現在のコレクションにも見られます。

出典:Begin「クレイトンフランクリン」のブランド紹介

創業者・室田亨氏とデザインチーム

創業者は室田亨氏。デザインは複数のクリエイターが手がけています。

02 / CONCEPTクラシックな形を、現代の技術でつくる

ブランドを表すコンセプトは、「古いものが時代を経て新しいモノとして生まれ変わる」。デザインの背景にあるのは、1930年代の英国のトラディショナルなスタイルです。そのクラシックな意匠を、日本の製造技術で現代の眼鏡に仕立てています。

写真で見ていくと、丸みのあるレンズ形や細い金属の縁など、なじみのある形が多く使われています。一方で、レンズの周りに別素材の輪を加えたり、ブリッジに特徴的な曲線をつけたりと、部品の形や組み方には変化があります。

注目したいのは、顔に掛けたときの輪郭をすっきり見せながら、細部には手をかけるというバランスです。正面からは控えめに見える眼鏡でも、斜めや横から見ると、金属の光沢、細かな模様、パーツの奥行きが現れます。

出典:MEN’S EX(コンセプト・デザインの背景)/CLAYTON FRANKLIN公式

03 / PRODUCT DETAILSプロダクトに見る、3つの特徴

1. 細い金属とアセテートで、輪郭を描く

このブランドのつくりを知る代表的なモデルが606です。レンズを囲む金属の縁に、ごく細いアセテートの内枠を組み込んでいます。アセテートは眼鏡に広く使われる樹脂素材。606では、その色をレンズの周囲に細く見せることで、金属だけのフレームとは異なる輪郭をつくっています。

CLAYTON FRANKLIN 606 GP-BK。黒いアセテートの内枠と金属のブリッジ
606 GP-BK。黒い内枠と、その外側に見える細い金属の縁。 写真:CLAYTON FRANKLIN/公式サイト。

写真のGP-BKでは、黒い内枠がレンズの丸みをはっきりと見せています。その外側には細い金属の線が見え、左右のレンズをつなぐブリッジや、耳に掛けるテンプルへ続きます。黒い輪郭と金属の明るさを、小さな幅の中に収めた構成です。

606では、素材をどれだけ細く、きれいに組み合わせるかがデザインの要点になっています。極細のアセテートの内枠が、古典的なレンズ形に繊細な色の輪郭を加えています。

CLAYTON FRANKLIN 606 GP/PK。淡いピンクの内枠とゴールドカラーの金属
606 GP/PK。内枠の色が淡くなると、同じ形でも輪郭の見え方が変わる。 写真:CLAYTON FRANKLIN/公式サイト。

同じ606でも、GP/PKでは内枠が淡いピンクになります。黒のように輪郭を強調する配色に対し、こちらは内枠とレンズの境目が穏やかに見えます。フレーム全体を太くしなくても、細い一周の色を変えるだけで印象が変わることが分かります。

出典:Essential Journal(606のアセテート構造)/公式606カタログ(形状・カラー)

2. 正面と横顔で、ボリュームを変える

768は、樹脂のフロントと細い金属のテンプルを組み合わせたモデルです。col.BKは、ブラックのフロントにホワイトゴールドカラーのテンプル。レンズの下側に丸みを持たせたウェリントン型で、上辺は緩やかなカーブを描いています。

768 col.BKの正面。黒いウェリントン型のフロントと、外側上部の2つずつの金属装飾
768 col.BK。上辺の緩やかなカーブと、丸みを持たせた下側の輪郭。

正面では黒いフレームの形がよく見えます。レンズの外側上部には小さな金属の点が2つずつ入り、黒一色の面に控えめなアクセントを加えています。ブリッジ周辺はフロントと一続きで、鼻側へ滑らかに絞られています。

768 col.BKの側面。フロントから細い金属テンプルが伸びる
768 col.BKの側面。フロントの厚みと、細い金属テンプルの対比。

横から見ると、印象はぐっと細くなります。フロントの厚みに対し、テンプルは長い金属の線として伸びています。正面の存在感を保ちながら、側面のボリュームを抑えた設計です。顔を正面から見るときと、横から見るときで、素材の見え方も切り替わります。

サイズは52□17–145。レンズ幅52mm、ブリッジ幅17mm、テンプル長145mmを表します。

3. テンプルやヒンジにも、細かな仕事を施す

768のテンプルを拡大すると、長手方向に斜めの線が交差する格子状の模様が見えます。遠目には一本の細い金属パーツですが、近くでは線の密度と光の反射に違いが出ます。大きな装飾を付け足さず、部品の表面で表情をつくっています。

768 col.BKのテンプルの拡大。金属表面の格子状の模様
768 col.BK。テンプルに施された、格子状の細かな模様。
768 col.BKのヒンジの内側。フロントに固定された金属プレートとテンプルの接続部
768 col.BK。内側から見たヒンジと、フロントへの取り付け部分。

もう一枚の写真は、テンプルを開閉するヒンジを内側から見たものです。フロントに固定された金属プレートと、小さな接続部の形が分かります。こうした場所まで見ると、CLAYTON FRANKLINの細さは、細い部品を並べるだけでなく、接続部分をどう収めるかによって成り立っていることに気づきます。

768 col.BKのテンプル先端。黒いパーツを金属の縁が囲む
768 col.BK。テンプル先端にも見られる、黒と金属の組み合わせ。

テンプルの先端にも、黒いパーツを金属の縁が囲むディテールがあります。レンズを囲むフロントだけでなく、耳元に隠れる部分にも、色と素材の組み合わせが続いています。商品写真を拡大して初めて分かる、小さな見どころです。

04 / DESIGN RECOGNITION海外のデザイン賞でも評価される造形

英国の眼鏡展示会100% Opticalで発表されるLove Eyewear Awards 2026では、CLAYTON FRANKLINの659が「Men’s Frame of the Year」を受賞しました。2026年2月28日の授賞式で発表された、男性用フレームの部門賞です。

CLAYTON FRANKLIN 659 AGP。上部のバーと曲線的なブリッジを持つメタルフレーム
659 AGP。上部の横線と、中央の曲線的なブリッジ。 写真:CLAYTON FRANKLIN/公式サイト。

659で目を引くのは、レンズの上を横切るバーと、鼻の上にある曲線的なブリッジです。写真では、丸みのある下側の輪郭に対して、上部には直線に近いラインが通っています。細いメタルでも、中央の曲線と上下の線の配分によって、はっきりとした個性を出しています。

クラシックな眼鏡の形を用いながら、内枠の色、ブリッジの造形、テンプルの模様を丁寧に作り込む。606、768、659を見比べると、CLAYTON FRANKLINが力を注いでいる場所が具体的に分かります。控えめな外観と、近くで見たときの細部の豊かさが、このブランドの魅力です。

受賞の出典:100% Optical主催者の2026年受賞発表

参考資料・出典