ピンクのLaborフレームを手に持った公式イメージ。丸みのあるフロントとピンクのレンズ

Laborとは|デザイナー、ブランドの背景と「道具」としての眼鏡を徹底解説

Labor(レイバー)は、韓国・ソウルを拠点とするアイウェアブランドです。ブランドの企業プロフィールでは、設立年を2019年と公表しています。眼鏡を日々の生活で使う「道具」と考え、アセテートの厚みや面の仕上げ、掛けたときのバランスを追求しています。

その背景にあるのは、創設者Joomyoung Song(JM Song)のメディアアートや空間づくりの経験です。ここでは、公開されている人物情報とブランドの考え方を整理し、DOWNTOWNに掲載中の商品の写真から、Laborのデザインを詳しく見ていきます。

ピンクのLaborフレームを手に持った公式イメージ。丸みのあるフロントとピンクのレンズ
Labor公式のブランドイメージ。丸みのある輪郭と淡い色使いにも、造形への関心が表れています。 写真:Labor/掲載元

01Laborの設立とデザイナー

創設者は、Habitant Studioを率いるJM Song

Laborの公式サイトが創設者として紹介しているのは、Joomyoung Song(JM Song/송주명)。ソウルのクリエイティブスタジオ、Habitant Studioを率いる人物です。公式の人物紹介ページでも、HabitantとLaborのディレクターとして掲載されています。

Laborの創設者Joomyoung Song。黒い服と眼鏡を着用したモノクロのポートレート
Joomyoung Song(JM Song)。Labor公式「Laborer」より。 写真:Labor/掲載元

公式の経歴によれば、JM Songは20年以上にわたり、メディアアートや都市空間の視覚的な演出に携わってきました。活動の場はソウルをはじめ、シンガポール、香港、ラスベガス、ミラノなど。映像や光を用いて、人が過ごす場所の印象をつくる仕事を続けています。

その活動を具体的に知る例が、Habitantによる2011年の「EYE CONTACT MEDIA FACADE」です。ソウルの漢江にあるセビッ島のプロジェクトで、JM Songは映像作品の開発を担当。公式の制作記録には、幅40m、高さ20mのLEDスクリーンを使ったメディアアートが紹介されています。

ソウル・セビッ島の水辺に設置された大型スクリーンと光の演出
Habitantが手がけたセビッ島のメディアアート・プロジェクト(2011年)。JM Songは映像作品の開発を担当。 写真:Habitant/掲載元

こうした経歴を持つJM Songが、毎日身につける道具として取り組んだのがLaborの眼鏡です。公式のブランド説明でも、使う人が自分の個性を表せること、そして眼鏡がその人の存在を覆い隠さないことを重視しています。

出典:Labor公式 AboutHabitant公式 制作記録

02デザインテーマとコンセプト

「Labor」という名前と、働く人への視線

Laborは「労働」や「仕事」を意味する言葉です。ブランドは、自分の仕事や創造的な活動を通じて価値を生み出す人々への敬意を表しています。公式サイトに「Laborer」という人物紹介のページを設け、さまざまな仕事を持つ人の写真を掲載している点にも、その姿勢が見えます。

この考え方はモデル名にも表れています。ARCHITECTは建築家、BARBERは理容師、DRIVERは運転手。ほかにも、仕立て職人を意味するTAILORや、植物学者を意味するBOTANISTがあります。人の仕事や暮らしに、眼鏡の着想を見いだしているのです。

たとえばBARBERは、子どもの頃の理容室の記憶が出発点。DRIVERは、モハーヴェ砂漠のトラック運転手が掛けるサングラスから着想したと公式に説明されています。職業名は、形や使い方を考えるための具体的な手がかりにもなっています。

出典:Labor企業プロフィール公式 BARBER公式 DRIVER

装飾を抑え、輪郭と厚みで印象をつくる

Laborのフレームを見ると、正面に大きなロゴや目立つ金属装飾を置かず、輪郭や厚み、光沢によって印象をつくっていることが分かります。眉に沿う上部の厚み、レンズの周囲を斜めに削った面、フロントからテンプルへ続く曲線。そうした小さな違いが、モデルごとの表情になります。

黒は面の陰影を見やすくし、イエローやピンクは輪郭を軽やかに見せます。どちらもフレーム自体の形がよく見える色使いです。装飾の少なさと、造形の存在感を両立させているところにLaborらしさがあります。

オレンジ色の背景に置かれたLaborの黒いサングラス。細いテンプルと丸みのあるレンズ周囲
Labor公式のブランドイメージ。横から見ると、フロントの厚みとテンプルの細さの違いが分かります。 写真:Labor/掲載元

素材と製造背景、長く使うための考え方

Laborは素材として、イタリアのMazzucchelli(マツケリ)社のアセテートや、Jimei社の板材を採用してきました。アセテートの面を削り、磨き上げることで、角のある輪郭と滑らかな手触りをつくっています。各モデルの違いは、素材の色だけでなく、どこに厚みを残すかにも表れます。

製造は複数の地域に関わりがあります。公式の現行ARCHITECT・BARBERなどには、日本の鯖江でフレームを製造し、韓国で仕上げるとの記載があります。一方、初期モデルTAILORの公式ページには、中国・深圳でのフレーム製造を明記。ブランド全体の生産国を一つにまとめず、モデルごとの情報を確認する必要があります。

また、公式では不要な使い捨て部品を減らすため、オプティカル製品にもダミーレンズの代わりにサングラス用レンズを付ける方針を説明しています。度付きレンズへ交換した後も、外したサンレンズは保管し、再利用を勧めています。ものを長く使うという考え方が、出荷時の仕様にも反映されています。

出典:Eyestylist公式 ARCHITECT公式 TAILOR。これらは公式の製品説明です。DOWNTOWN掲載品の製造ロットや付属レンズを一律に示すものではありません。

03商品写真で見るプロダクトの特徴

ここからは、DOWNTOWNの掲載商品を使って、形とディテールを見ていきます。サイズは当店の商品ページの表記を採用しています。

ARCHITECT|眉側に厚みを持たせた立体的なフロント

ARCHITECTは、建築の構造や量感から着想したモデルです。公式ではDシェイプと説明されており、上辺を比較的まっすぐに取りながら、下側に丸みを持たせています。正面の写真でも、眉に沿う部分に厚みを残した形がよく分かります。

ARCHITECT col.BLACK×BLUEの正面。黒いフレームと青いレンズ
ARCHITECT col.BLACK×BLUE。

外側の輪郭とレンズの形が、同じ線を描いていない点にも注目です。上部や外側に厚みを持たせることで、レンズの周囲に面が生まれます。黒いアセテートの反射がその面を際立たせ、同じ黒縁でも立体感のある表情になります。

さらに、テンプルの内側にはcmとinchの目盛りを配置。建築家のスケールを思わせるディテールです。写真では、白い点と赤い線が控えめに並んでいるのが見えます。掛けていると外から目立たない場所に、モデル名に結びつく工夫を加えています。

ARCHITECTのテンプル内側。白い点と赤い線によるスケールの目盛り
ARCHITECTの内側にあるスケール。細部に建築家というテーマが表れます。

掲載サイズは49□22–147。BLACK×BLUEは黒いフレームにブルーレンズを組み合わせた仕様です。レンズの青みが、黒い輪郭の内側に色を添えています。

BARBER|レンズを縁取るカットと、角を丸めたスクエア

BARBERは、四角さを残しながら角を丸めたフロントが特徴です。ARCHITECTと比べると、眉側の厚みが控えめで、レンズを囲む枠の形が素直に見えます。智元からテンプルへ続く線もすっきりとしています。

BARBER col.BLACKの正面。角を丸めたスクエアの黒いフレーム
BARBER col.BLACK。
BARBERのブリッジとレンズ周囲の斜めのカットの接写
レンズの周囲を斜めに削った面のディテール。

近くで見ると、レンズの周囲にテレビジョンカットが施されています。これは、かつてのテレビの画面枠を思わせる、斜めに落とした面のこと。正面からの輪郭に加え、光を受ける面がもう一段生まれ、黒一色のフレームにも細かな明暗が出ます。

公式が挙げる理容室の記憶を踏まえて見ると、身だしなみを整える道具というテーマも理解しやすくなります。掲載サイズは49□23.2–147。定番的なスクエアのなかに、削り方と磨きの表情を楽しめるモデルです。

DRIVER|横長のレンズと、後方へ絞ったテンプル

DRIVERは、横長のレンズシェイプと丸みのあるフロントを持つモデルです。公式の着想源は、モハーヴェ砂漠のトラック運転手が使うサングラス。商品写真を見ると、横へ伸びる形とフロントの厚みが、目元をはっきりと縁取っています。

DRIVER col.BLACKの正面。横長で丸みのあるレンズシェイプ
DRIVER col.BLACK。
DRIVERを側面から見た写真。前方に幅を持たせ、耳側に向けて細くなるテンプル
横から見ると、テンプルの太さの変化が分かります。

横顔では、テンプルの形が特徴的です。フロントに近い部分には幅を持たせ、後方へ向かって細く絞っています。正面の量感を支えながら、耳に掛かる側をすっきりと仕上げた構成です。

掲載サイズは51□23.4–147。DOWNTOWNのBLACKはクリアレンズを組み合わせた掲載仕様なので、サングラスに由来する形を、普段の眼鏡として見られるのもポイントです。レンズを通して目元が見えることで、フレームの曲線がより分かりやすくなります。

PATROL|丸みのある輪郭を、フレームとレンズの色で楽しむ

PATROLの着想源として公式が紹介するのは、米国オレンジカウンティで出会ったハイウェイパトロールの眼鏡です。パイロット型サングラスをヒントにしながら、フロントの周囲に連続する柔らかな曲線を用いています。

PATROL col.BLACK×YELLOW。黒いフレームに淡い黄色のレンズを組み合わせた正面写真
PATROL col.BLACK×YELLOW。
PATROL col.YELLOW×GRAY。黄色のフレームとグレーのレンズの正面写真
PATROL col.YELLOW×GRAY。

掲載写真では、丸みを帯びたレンズの下辺と、外側へ少し張り出した両端が特徴です。中央から外側へ伸びる上辺にも緩やかなカーブがあり、正面から見ると、ほかの3モデルより細い輪郭が目に入ります。

BLACK×YELLOWは黒いフレームと淡い黄色のレンズYELLOW×GRAYは黄色いフレームとグレーのレンズです。前者は黒い輪郭を残しながら目元に明るい色を加え、後者はフレームそのものの色がよく見えます。フレーム色とレンズ色の配分で印象が変わる、分かりやすい2つの組み合わせです。

掲載サイズは54□18.2–147。Laborの造形は黒い太縁だけに限らず、こうした曲線や色使いにも広がっています。

着想の出典:Labor公式 PATROL

参考資料・出典

調査日:2026年9月6日。海外公式ページには当店と異なる寸法表記もあるため、本記事の商品サイズはDOWNTOWNの掲載値で統一しています。価格・在庫は各商品ページをご確認ください。